アメリカは「これ出来ます❕」の精神で
会社を立ち上げている段階で、喉から手が出るほど欲しいのは、新たな顧客ではないでしょうか?
アメリカでお客様と話す時もこの意識から、ついつい言ってしまいそうになる言葉…
それは、「お客様の要望に合わせて、何でも出来ます!」
折角のチャンスを取りこぼしたくない。そんな気持ち、痛いほどわかります。
観光ビジネスなら「お客様の行きたいところに合わせてツアーを企画します。」 メーカーなら「お客様の欲しい物を加工します。」と、ついつい発言しそうになります。
でもこれって、知恵を絞るという、商売で最も大事な部分を放棄しているようにも見られてしまう、恐ろしい言葉なのです…
実際、アメリカのビジネス関係者は「何でも出来ます。」という言葉を嫌う傾向があります。それぞれの プロフェッショナルが、それぞれの得意な部分を提供し、そして協力し合ってアメリカ市場に斬り込む時には、トッププロ同士でビジネスしたいものです。そんな時に求められるのは、トッププロならではの意見や提案です。
病院でお医者様より、「患者様から提案してもらった治療方法なら何でも実現出来ます。だから治療方法を提案して下さい。」と言われると、むしろ不安に感じる事でしょう。
患者側の気持ちは、きっとこうなります。
「ベストな治療を提案して欲しいのは、むしろこっちのほうだ❗️」
「何でも出来ます。」
これは、かなり高度で広い見地がなければ、なかなか発言出来ない素晴らしい言葉です。
それなのに、一緒にビジネスして大丈夫な会社?と不安にさせたり、もしビジネスに発展したとしても、周りが決めた事を淡々と実行する、安価な請負い仕事になり兼ねません。
「これがベストな提案です!」
そう発言すると、お喋りなアメリカ人は色々と言ってきます。
「これも出来る?」とか、「ここは変えれる?」などなど…
結果は一緒かもしれませんが、最初にアピールが必要なのがアメリカというものかもしれません。
面倒ですが、不安を与えないためにも、自分を安売りしないためにも、ビジネス上の配慮が必要です。