これからの世界、これからのビジネス
アメリカでビジネスしていると、変化を敏感に感じとる事ができます。
「社会の変化を感じて、自分たちを変化させ続ける事が、ビジネスを安定させる。」
そんなマインドなので、アメリカビジネス界に漂うだけでも、敏感にセンサーを働かせていると、ある種の変化を感じとれます。
▶︎マーケットが冷静になっている
ある種の変化のひとつに、市民が冷静さを取り戻してきてます。冷静さとは、冷静に判断する能力が、日に日に増しているように感じます。
例えば、新興時計ブランドのシャイノーラは、「デトロイトを復活させたい!」という想いから、廃墟となった自動車工場に時計生産ラインを作り、デトロイトの雇用を生み出したブランドです。
至ってシンプルな時計で、品質や機能はそんなに高くなくても、10万円以上する時計が売れています。
理念を理解し、アメリカ人を雇用して製造しているなら、この価格は妥当と理解されています。
店員も理念に共感して働いているためか、頭も良く、品があり、センスが良い人が多いです。
ただ高価な素材を使ったり、ただコスト高の複雑な機能を加えたりと、そんなことでは高価な物が売れなくなってきてます。
ブランドが数多く入っていた大型ショッピングモールは、今や廃墟のような雰囲気です。
▶︎何かが起こる
今まで当たり前に続いて拡大していたものが、停滞し減衰している…
小品種大量生産からAIを駆使して多品種少量生産に移行し、市場を取るという事でもない…
ITの仮想世界で、巨人とデジタルプロレタリアートを生み出した社会とも違う。
市場を取り規模を拡大するというマインド自体が、過去のものになりそうに感じる。
大規模であればあるほど、弱さを感じさせる。そんな大きなマインドの変化が、すぐ近くにまで迫ってきている…
今回の変化は、馬車が自動車に変わったような、物理的な変化ではなく、目に見えないマインドの変化のような気がします。
不安感を無くして舵を取る‼︎
起業し始めの頃は、希望もいっぱいですが、不安もいっぱいあります。
突然、不安が湧き出て、頭の中がそれでいっぱいになる日もあります。
そんな時は、なかなか冷静な判断ができなくなります。不安は無い方が良いのですが…勝手に湧き出てくるもので、なんとも制御し難い!
それを制御するのも、経営を成功に導くための経営者に必要な能力かもしれません。
不安になりやすい状態は?
朝の寝起きの時「もう少し時間があるな…」と考え、そのまま起きればいいものを、疲れが抜けていないためか、ついつい身体を休めたいとの欲望から、再び布団の中へ入りゴロゴロしてしまう。
こんな時、様々な考えが湧き出てきて、考えれば考えるほど、不安になったりします。
同じように、休日に家でゴロゴロしている時にも、よく現れます。
でも、いったん外に出れば、「さっきの不安感は何だったのか?」となります。
身体を休めたい!という気持ちとは?
脳の中の本能の部分、言い換えると動物の脳は、敵から襲われた時に備え、常に身体を休めさせようとします。
「休めたい…」や「サボりたい…」という気持ちがこれです。
運動しているならともかく、ただ座っているだけなのに、疲れた…となる状態は本能に思考が乗っ取られているかもしれません。
不安な気持ちとは、動物の脳が敵から身を守るための、もっとも得意としている思考!
乗っ取られている時に不安感がよぎるのは、脳のプログラムが勝手に動く、まるで自動運動モードのような状態です。
人の思考に戻す!
こんな自動運動モードから、いち早く離脱するためには、人の脳を始動させる事です。
いち早く離脱して、大脳新皮質を動かしましょう。
やり方は単純。「思考を止める」事です。
「えっ」と思われるかもしれませんが、これが高度な能力が必要です。
だって思考は勝手に湧き出てくるからです。
暑い寒いというような事も勝手に湧き出てきます。
完全に止める事が出来ないため、どこかひとつに思考を集中させると、新たに湧き出る思考を減らせます。
息を吸います。
息を吐きます。
息を止めます。
また吸います。
と、本来なら本能が勝手にやっている事を、ひとつひとつ自らがやってみる。
目を閉じるのも、開けるのも、自分が指令を出して動かしてみる。
無意識にスマホを手に取っていたのを、意識的に手に取ってみる。
その時の手の動作もひとつひとつ指令を出してみる。
そうすると、手を動かすだけでも、かなりの指令を脳内で出さなければならない事が解ります。
その間は、不安を沸き立たせる隙間が極端に少なくなります。
自ら思考を制御できれば、悩んでいた事すら合理的に解決するために思考を動かせます。
それには、自分の脳を自らがハンドルを握り運転する練習が必要です。
アメリカは「これ出来ます❕」の精神で
会社を立ち上げている段階で、喉から手が出るほど欲しいのは、新たな顧客ではないでしょうか?
アメリカでお客様と話す時もこの意識から、ついつい言ってしまいそうになる言葉…
それは、「お客様の要望に合わせて、何でも出来ます!」
折角のチャンスを取りこぼしたくない。そんな気持ち、痛いほどわかります。
観光ビジネスなら「お客様の行きたいところに合わせてツアーを企画します。」 メーカーなら「お客様の欲しい物を加工します。」と、ついつい発言しそうになります。
でもこれって、知恵を絞るという、商売で最も大事な部分を放棄しているようにも見られてしまう、恐ろしい言葉なのです…
実際、アメリカのビジネス関係者は「何でも出来ます。」という言葉を嫌う傾向があります。それぞれの プロフェッショナルが、それぞれの得意な部分を提供し、そして協力し合ってアメリカ市場に斬り込む時には、トッププロ同士でビジネスしたいものです。そんな時に求められるのは、トッププロならではの意見や提案です。
病院でお医者様より、「患者様から提案してもらった治療方法なら何でも実現出来ます。だから治療方法を提案して下さい。」と言われると、むしろ不安に感じる事でしょう。
患者側の気持ちは、きっとこうなります。
「ベストな治療を提案して欲しいのは、むしろこっちのほうだ❗️」
「何でも出来ます。」
これは、かなり高度で広い見地がなければ、なかなか発言出来ない素晴らしい言葉です。
それなのに、一緒にビジネスして大丈夫な会社?と不安にさせたり、もしビジネスに発展したとしても、周りが決めた事を淡々と実行する、安価な請負い仕事になり兼ねません。
「これがベストな提案です!」
そう発言すると、お喋りなアメリカ人は色々と言ってきます。
「これも出来る?」とか、「ここは変えれる?」などなど…
結果は一緒かもしれませんが、最初にアピールが必要なのがアメリカというものかもしれません。
面倒ですが、不安を与えないためにも、自分を安売りしないためにも、ビジネス上の配慮が必要です。
アメリカ進出は、ほぼ起業⁉️
「アメリカに販路を広げたい!」「アメリカにビジネスを広げたい!」などなど、企業かアメリカ展開したり理由は、様々とあります。
アメリカに支社や法人を作り、今まで日本でやっている商品やビジネスモデルを「これからアメリカ市場に展開するぞー!」と意気揚々と始めますが、ビジネスが軌道に乗るまではかなりの時間を要します。
早くて数年はかかってしまいます。
最短で3年というイメージではないでしょうか…
日本では知られていても、アメリカでは知られていないので、商流におけるアメリカ人関係者に、自分たちを知ってもらうだけでも、かなりの時間を有します。
出来るだけ期間を短縮するためにも、「アメリカ人関係者を紹介しよう」と考えても、アメリカは国土が広く、「すぐ打ち合わせしましょう」という文化がありません。
西海岸と東海岸の関係者と打ち合わせしようものなら、日本からベトナムやタイで打ち合わせという時間的距離感があります。
そして、初めて繋がる関係者と1回や2回会って話したくらいでは、日本でもなかなかビジネスに発展しないものです。
これが異文化のアメリカ人となら、お互いを理解するのに、さらに時間を有します。
アメリカ市場では、認知度が無い状態でスタートするのが、日本企業のアメリカ進出です。
アメリカ市民が全く知らない、日本の商品やビジネスに関わってくれるアメリカ企業と繋がるだけでも一苦労…時間がかかります。
それでは、広告宣伝をかけて知名度を上げようと考えたとしても、そこは世界最大の市場のアメリカ❗️日本とは桁違いの費用が…
やはり、HPやSNSで地道に自分たちのビジネスの情報を広げる空中戦をしながら、知り合いからの紹介などで関係者を増やす地上戦をするしかないな〜 となります。
これは一から立ち上げて起業するのと同じではないか❗️と気づきます。
日本では、企業のブランドや信用があり販路を広げやすかったかもしれませんが、アメリカでは一から企業を立ち上げるイメージです。
数名の駐在員が、世界からトップグラスが集まる世界最大の市場を切り開く…
アメリカの関係者もトップグラスのビジネスマンや起業家。打ち合わせでも起業家精神が無いと興味を持たれません。
アメリカ市場を切り開く時に、撒き散らかさないといけない雰囲気は、優秀な社員ではなく、成功しそうな起業家。
アメリカのいいところは、企業の経歴がない新参者でも、まだまだブランドが知られてなくても、「良い!」と認めてくれれば大手とも取引できます。
小売店の規模も桁違いですので、数社に商品が入れば、全米数万店舗に置かれます。
たった数社でいいのです。
そこに入るために、様々なチューニングをしながら、何度も何度もチャレンジするだけです。
なので、1商品でも数年で売上が数十や数百億円の企業となり、たった数名で運用している企業も多数あります。